TRIZ入門 補足・訂正情報

「TRIZ入門」補足・訂正

ここには「TRIZ入門」についての訂正・補足情報を載せます.

「TRIZ入門」に対する訂正・ご意見など,どうぞお寄せ下さい.また,他の「実際の設計」シリーズに関するコメントも,当ホームページにお送りいただければ著者・関係者に転送させていただきます.

(1) 1998年1月
p69「ARIZでは17ページに示した3つの大きな物理的矛盾克服法を利用する」は「36ページに示した」の誤りでした.東芝の北口さんよりご指摘いただきました.

(2) 1998年1月
p66 TRIZとVEの関係を解説した部分で「価値工学とは,コスト/機能分析技術の応用であり,機能横断的なアイディアの生成を通じて工学的な創造性を高めようというものである.」という表現があります.
原著の"cross-functional"を「機能横断的」と訳したのはやや直訳的で,「技術分野を跨ったアイデア」つまり「様々な技術をつなぎ合わせた今迄に無いアイデア」などとするとより分かりやすいのではないか,というコメントをトヨタ自動車BR-VE室の広瀬さんよりいただきました.

(3) 1998年6月
下記3点の指摘・質問を富士フイルムの古謝さんよりいただきました.井形の回答を添えてあります.
>(1)間違い
> p84下から3行目
> ジュール−トンプソン効果となっていますが、
> ジュール−トムソン効果(Joule-Thomson effect)の間違いです。
> ※もしかすると原書のスペルミス?

ご指摘の通り原著がThompsonとなっていました.チェック漏れです.

>(2)理解しにくかったところ:1
> p93下から4行目以降
> 具体的にどのようにすればよいか,私には理解出来ませんでした。
シール材の果たしていた機能を「空気抵抗の低減」として明確化(複雑なものは分解 )し,「作業時間(手間がかかりすぎる)」という制約条件との関係で考えれば「表 面のみ覆えばよい」というアイデアにはすぐに至るだろうという事だと思います.
>(3)理解しにくかったところ:2
> p115の13行目で、
> 「TRIZのおかしさ、または不十分な点は人の頭の動きに関心が
>  薄いこと … 物理的矛盾の除去の経過が何ら説明されておらず,
>  またそこで使われる法則性の説明がない。この点では,「創造
>  設計原理」とそこで使う「思考演算」の方がはるかにすぐれており、
>  TRIZもそれを取り込めばもっとすばらしいものになるだろう。」
> とあり、一方で … 
> p133の9行目から
> 「TRIZの考えも,この思考演算の考え方に非常に似た考え方を
>  しており、人の頭の働き方とその利用については,筆者らの考え
>  とほとんど同じであるように見える。」
> となっています。
>
> 「頭の働き」と言っている部分が,「物理的矛盾の除去の経過」や
> 「そこで使われる法則性」のことであれば、私もこれまでのTRIZ
> 記事や、セミナー等での説明で不満に思っているところですが、
> 「思考演算」とTRIZの関連については、
> p115とp133の記述が矛盾しているように見えます。
p115では,古謝さんの仰るとおり『「物理的矛盾の除去の経過」や「そこで使われ る法則性」』をTRIZがサポートしていないことを指摘しています.「創造設計原理」 では,思考展開図などを用いて設計プロセス全体をモデル化しようとしていますので ,その意味で創造設計原理の方が優れているといえます.

『とそこで使う「思考演算」』の部分を省いた方が,わかりやすいのではないかと思 います.

p133では,p132の図4.8にまとめた「着想を発展させるための思考演算法」とTRIZの 心理的惰性を防ぐツール・考え方との間に共通点が多いと述べています.

コメント・情報をお寄せ下さった方に,この場を借りてお礼申し上げます.


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